🗐 THE 電卓 藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

計算機にまつわるブログ。

2022年4月11日の投稿1件]

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電卓技術教科書 基礎編

 昭和46年 ラジオ技術社 佐々木正監修
 電卓の動作原理、当時のSHARP電卓の回路図まで載った豪華な構成。

 佐々木正氏といえば《ロケット佐々木》の異名を持つ、電子立国日本を作った立役者の一人。

(キャプション自動取得対象外)

 監修者のことばを引用する。


監修者のことば
 電子式卓上計算機(電卓と略称される)は,多くの意味において特筆すべき製品の一つであります。最近の電子技術応用した点においては電子計算機と変わりなく,すなわち小規模ながら記憶・演算・制御・入出力の各装置を有し,四則計算(加減乗除)を中心にして各種の事務,技術計算を簡単な操作で行なわせるようにした計算装置であります。
 電子計算機が高度の有機的機能をもつ情報処理装置へ発展したのに対し,電卓は事務所,家庭を問わず,大衆に,より身近かな実用性ある製品として発展したのが特徴です.電卓には四則演算を主にした電子ソロバンから複雑な各種の計算ができるプログラマブルな高級機種にいたるまで,非常に広範囲にわたっております.さらに最近は電卓を核とした応用機器が開発されはじめ,あらゆる部門に電卓技術が浸透しつつある状態です.
 一方電卓に使用されている素子の面から考えましても,過去において日本のトランジスタ産業がラジオ・テレビにより大きな発展を遂げたごとく,現在の集積回路(IC)および大規模集積回路(LSI)の発展は電卓に負うところが非常に大きいことです.これらの点を考えますと,電卓は小形ではありますが最新の電子技術の粋を集めたものであり,ごく最近まで 一般大衆には無縁と考えられていた宇宙技術で開発されたLSI等が,かくもすみやかに地上で一般の誰もが手のとどく範囲に引寄せられたことは,驚くべきことであります.
 このように普及してきた電卓について系統的にまとめられた本が見当たらず,断片的なものにかぎられ,その刊行が強く要望されるように変ってまいりました.本書はこれらの要望に答えるために,電卓全般を網羅した系統的な刊行物としてまとめたものであります.
 内容は電卓の使用者に参考となるように,サービス技術より見て書かれたもので,高校・大学初級の人々を対象にし記述してありますが,一般の利用者をも考慮し,わかりやすく解説してあります.使用の便宜を考慮して上下2巻に分かち構成することとしました.
 上巻では一般の電卓についての基礎的事項より説明を始め,代表的機種としてシャープ電卓(CS-12D)を例にとって具体的に説明しました。下巻にはこれらの基礎に立って,さらに高級機種およびLSI化機種について深くかつ広範囲な説明を加えることにしました。
 本書はその上巻:基礎編として刊行されたもので,8章から構成されています.第1章には緒論として電卓の一般的概念を,第2章には電卓に使用されている回路の基礎となっている論理数学,論理素子,論理回路について説明を加え,第3,4,5,7章は電卓の操作方法,ハードウェア的解説を一般的構成,入出力装置と記憶装置,演算制御と装置,電源回路と順に説明し,第6章にはそのまとめとして具体的な演算方法を取上げてあります.また第8章には電卓取扱上の注意,およびその他機種の操作方法につき述べて参考に供してあります
 最後に,本書の出版にあたり終始御尽力を頂いたラジオ技術社の鈴木勇治氏,本巻の執筆に援助していただいた小川政和氏ならびに全般的な補正,追加を担当された大内田敏行,菅沼英一の諸氏に感謝いたします.

昭和46年6月1日
シャープ株式会社
代表取締役専務・産業機器事業本部長
佐々木 正

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開設日:平成12年 3月 1日
新 装:平成28年 5月25日
改 装:令和 3年12月18日
更新日:令和 6年 3月10日

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